2010年1月14日木曜日
天使のカンタータ/ Walker Brothers
天使のカンタータ c/w スタンド・バイ・ミー THE WALKER BROTHERS ビクター SFL-1131 ¥370
今日は寒かったですよね。急に寒波が襲来して、突風まで吹き荒れ日本中が大荒れの一日。政治の方もオザワさんやハトヤマさんがいろいろ大変みたいだし、2010年の幕開けとしては、この先見通し良くなさそうな気配で心配です。なんて、話じゃなく、またこないだのRECOfanでゲットしてきたレコードを1枚紹介します。
ウォーカー・ブラザースの後期、というか、実際は解散した後に発売された7インチ・シングル。曲はA面が「天使のカンタータ」でB面が「スタンド・バイ・ミー」というファン泣かせの1枚です。言うまでもなく、ウォーカー・ブラザースは元々はロスの出身だからアメリカのグループです。でも、彼らの活躍場所はイギリスで、とりわけスコット・ウォーカーの甘いマスクと歌声に人気が集中して、日本でもアイドルとして高い人気を誇っていました。メンバーは3人。ボーカル・グループですが、バンド・ブームということもあったのか、無理矢理楽器を持たされた写真もありました。
ゲイリー・ウォーカーは実際にドラム・セットに座って、ライブでも一応ちゃんとドラマーしてましたね。
曲はスコットが書いた自作のもので、バッハのカンタータをイントロに使ってパイプ・オルガンの荘厳な響きやホーンの高らかな音色も美しい、クラシカルなムード溢れる曲調になってますが、これは「In My Room」(Beach Boysの同名曲とは違います)という同じようにバッハの曲を使ってヒットした彼らのレパートリーを多分に意識した作風のようです。バロック風なサウンドはプロコル・ハルムの「青い影」を頂点にして60年代半ば以降、時代の流れにピタリとハマったものでした。
原題は「Archangel」なんで、「大天使」だから、まぁ、クラシカルなタイトルもまんざら取って付けたもの、とばかりは言えないけど・・。歌の内容は人生の移ろいやすさ、はかなさを人は知らずに日々を生きる、みたいな、いかにもスコット好みの哲学的なもの、じゃないかな、と。
B面の「スタンド・バイ・ミー」はR&Bの名曲、BEN・E・KINGの61年の大ヒットで、いろんな人がカバーしてるのは、よくご存知でしょう。フィル・スペクターの音作りを基本としていた彼らならではの、ちょっぴりライトな感覚のフワリとしたポップスにアレンジしてるのが面白いところ。マラカスの乾いた音も効果的です。
映像はさすがになかったので、彼らの出世作となった65年の大ヒット「太陽はもう輝かない」をご覧下さい。スコットがなんで人気があったのか、よ〜く分かる映像です。ゲイリーはほぼ出て来ないしね。
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